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老いの春を、煌いて生きる

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悔いなく生き切ることを目指す79歳の青春日記

過ぎ行くものに思いを留めないということ(1)

桜の満開を迎えて「春だ~っ」と思ったのはいつだったろう・・・と思うくらい今月は早く時が過ぎていった気がする。
気がつけば「あ ほ~庵」からの眺めも、染井吉野は散り果てて、スモモや山桜、山つつじの季節に。
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この2週間何をしてきたのかなあ・・・とあわただしく過ぎた日々を振り返ってみた。なのに、何をやったのかがなかなか思い出せない。大阪にいる頃は、結構 いつ何をしたかを覚えていたように思うのに、何が変わったのだろう。

たぶん、以前は たとえボランティア活動でも、何をどのようにやり終えるか、どんな結果を出すかといった成果や結果に意識の比重がかかっていたのに、ここ岡山での最近の活動は、事柄や成果というよりも、人との繋がりの中での一瞬一瞬の思いの交流や、夢中で感じ行動し続けるプロセスそのものに全神経を注いでいるため、何をしたかという事柄としての記憶が残っていないのだろう。

言い換えると、体験していることを瞬間瞬間に完結し、次のことに集中しないと前に進めないほど今いまが充実しているということなのかな・・・言い換えると 「過ぎ行くものに思いを留めている暇がない」ということかなと思うが、何か今大事な変化が起きている時期のように思うので、体験のあらましを日記に書きとめておこうと思う。

月初め3日に京橋朝市でチラシ配りした後、お迎えした栃木県からの被災者Tさんご一家を、2日の間 近場の物件にご案内し、その後 美咲町の前原さんにお願いして、Tさん一家の当面の滞在先として美作賢治の楽交を使わせていただくことにした。
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ご家族は、一週間ほどここに滞在しながら、美咲町や建部町、吉備中央などの物件を見て歩き、自然農をやっている脇田さんや大北さんにも出会い、大きな勇気をもらって一旦帰宅された。
この間、難波さんや大北さん、コテッチャンやタケチンなどスローライフネットワーク岡山の親しい仲間たちが、次々とバトンタッチするようにTさんの物件探しをサポートしてくれて、当初は放射能の恐怖から避難してくるという感じが強かったTさんも、次第に新たな人生の夢を実現するために、岡山に移住してくるのだという前向きのエネルギーに転換していかれたのが嬉しかった。

心を注いで土作りをし育んできた自然農園を手放し、新しく切って積み上げた椎茸のほだ木や畑の作物たちを手放して、寄る辺もない岡山に避難してくる寂しさや不安はいかばかりだっただろうかと思う。温かい岡山の仲間たちが手をつないで、やわらかいハンモックのようにそのご一家を包み受け止めて、家や農地さがしに関わってくれたことで、ネットワークの温もりや力強さを肌で感じる中で、Tさんたちの意識が着実に光に向かって歩みだしたプロセスを想像するだけで、私まで胸が熱くなってくる。
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Tさんの受け入れに動いた翌日5日には、和気町の某町議さんとアイターンホームの田中社長を引き合わせ、これから増えていくと予想される被災者の受け入れ対策について、私たちにどんなことが出来るかを話し合った。

町議さんとしては、行政に声をかけて、とりあえず被災者に貸せる空き家が町内にどれだけあるかを、調査してくださっているとのこと。この会談の間にも、町の担当者に電話をかけて、状況を聞き勇気付けをしてくださっていた。
しかし、今の時期、岡山に移住を考える方々のほとんどが、被災者証明の取れない放射汚染を避けての移住希望者なので、実質は被災者だと私は思うが、当面の間、行政の援助は当てに出来ない。
そこで何が出来るかを考えると、やはり民間住宅の空き家を見つけ、このような被災者に無料または低料金で、(定職や保証人がなくても)家を貸してもらえる仕組みを作ることが一番早道だろうということに話しが進んだ。しかしこの場合、古民家などの所有者が「貸してもよい」と思えるような状況を作り出すことが重要であり、そのためには所有者と借家希望の被災者の間を取り持ち、両者のコミュニケーションがうまく行くように仲介する存在が必要ではないのかという結論に達した。

この面に関して、アイターンさんのほうではすでに売り出されているがまだ売れていない物件を
一時貸家にすることなども考えており、入居時ならびに入居後の家主や地元との関わり方の指導、関係者間のコミュにケーションの調整、貸借契約の作成や入居後のメンテにまで関わる形で空き家の管理を引き受けているケースがあるとのこと。(管理費を受け取っているケースもあり。)

しかし、議会や行政としての直接的な援助は、あくまでも被災証明が取れる被災者に限られているので、上記のような被災者に対しては、残念ながら直接的な援助が出来ないのが実情とのこと。

そこで、視点を変え、被災者援助というよりは、むしろ地元の活性化の為に移住促進を図るという観点から、何が出来るかを引き続き検討していただくようお願いするにとどまった。
理解や意欲のある町議さんでも、政治や行政の枠組みの中では、動きが限定されることを実感した。

今後については、行政の援助を受ける資格がない人でも受け入れ援助できるよう、われわれ民間サイドで、所有者の心を動かし、空き家の開放を促進するような活動を確立する必要があることを痛感した。
この後の2~3日は、待望の畑作りの時間がとれたので、種まきや草刈を少し進めると共に、春の花々につながり春を満喫することが出来た。

この日のアイターンさんのブログです。http://blog.goo.ne.jp/aitanmura/e/9dbbb9642db760728d3ae5739ef065e9
田舎暮らしをお考えで、物件をお探しのときは、アイターン田中社長 頼りに成りますよ!!
by mahorobanokimi | 2011-04-26 08:47 | 「あ ほ~庵」日記

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