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老いの春を、煌いて生きる

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悔いなく生き切ることを目指す79歳の青春日記

田植えに見たチャレンジ

スローライフ ネットワーク岡山のメンバーであるYさんは、昔 演劇活動に情熱を燃やし、やがて劇場の大道具担当を仕事にするようになった人。

早くに現役を退き、岡山の山の中に家を構え、農的生活を楽しんで来られている。

今年は、ネットワークのご縁で、Yさんの田んぼの一部を仲間達と共にお借りして、米を作ることにした。

14日は その田植えの日。
朝から 友人を連れた鏡野の友人Nちゃんや 和気の山の上に住むOさん、そしてわがご近所のすみれさんなどが Yさん手製の数奇屋風離れに集結。

まずYさんから 今年の田植えシステムの説明を受ける。
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赤目塾出身のYさんだが、自然農をそのまま守り続けるのではなく、そのよさをしっかり踏まえながら、しかし現在の農村が確実に高齢化して行っているという事実にあわせ、腰や膝の痛い高齢者でも出来る田植えを開発しようと、様々な新方式や新兵器を工夫し、あるいは人に学び、チャレンジされている。

今年は、木の手製治具を使って 苗穴をうがち、稲植えパイプで苗をその穴に落とし、苗の足元に埋め棒で土を寄せると言う方法にチャレンジ。
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現実には様々な難点に直面したが、気心通じた仲間達との愉しい田植えの時間はあっという間に過ぎ、お借りする約2畝の田んぼの田植えは あっけなく完了した。というか、愉しいから早く過ぎた気がしたのかもしれない。

スローライフ的な暮らしでは、多くの事柄に手作りを楽しむチャンスが生まれてくる。
しかし、やったことのないものを手作りでやると、スムーズに行かない事も多いし、手間も掛かる。

スローライフ は忙しいと思うことが多いのも、このような事情が絡むことが多いからだ。
しかしなぜか、その忙しさやわずらわしさが 妙に愉しいのである。
それはあたかもガキの頃に、やったことがないことにチャレンジした、あの無邪気なわくわく感に近いものがあるのではないだろうか。

以前にYさんの倉庫を覗かせてもらった事がある。
スキーや釣竿や古びたLPレコードの山など、この人の遊びの幅広さを偲ばせるものだった。
そして茶室のようなにじり口ふうの入り口を持つしゃれた手作り離れには、アッと驚く工夫が一杯。
数奇屋風のトイレの目の前の本棚には、田舎暮らしや日本文化や日本住宅などについての本がずらりと並んでいる。

豊かな人生経験をつんできたYさんのような人が、今はその経験を 高齢者の農をサポートするために生かそうとしたり、繋がりの中で若い仲間にも手渡そうとしている。

さりげなく田植えの準備を整え、装置や苗を準備し、昼食の味噌汁まで準備して 仲間を待ってくれているYさんのはにかむような笑顔に、温もりでつながる新しい時代のコミュニティーの予兆を強く感じたのであった。
by mahorobanokimi | 2009-06-16 00:00 | スローライフ随想

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